すぐれた芸術とは?

ーー私が心惹かれる芸術に共通することがあるとすれば、それは、ペシミスティックな視点を根元として、その中で一筋の光を探している、という様なことではないかと思うのです。私が信じられることとはそれだけなのです。それは、深い井戸の奥底の暗闇のなかに、太陽が真上を通るほんの少しの間だけ射し込む光のようなものです。我々の住むこの世界は、ろくでもないものです。人生の大部分は闇です。まちがいなく。
ーーふむ。
ーー勘違いしてほしくないのですが、私は私の個人的な不幸話のようなものを嘆こうとしているのではありません。私はわりあい楽天的な性分ですし、相対的に考えて恵まれた環境の中で、総合的に見ればささやかに幸せに生きてきましたと思います。しかし、それでも、この世界は闇なのです。それは変わることのない事実であり、私とは関係無く、すでにそこに横たわっているという類のことなのです。
ーーおっしゃりたいことを、なんとなくは、わかる気がします。
ーー我々は永遠に続くとも思える暗闇の中にいます。しかし、これもまた同じく変わらない事実として、その暗闇の中には、必ず、光が降り注ぐ瞬間が存在するのです。それは数十年という時の中で数十秒かそこらかもしれません。だが、その瞬間は確実にあるのです。それが、私の考える我々の人生のすべてです。私が心動かされる芸術はすべて、この永遠の暗闇と瞬間の光を表現したものです。漆黒の闇を多く描いたものも、またたく光にフォーカスしたものもありますが、それは、切り取り方と視点が少し違うだけなのです。ですから、あるものは悲劇であり、あるものは喜劇として表現さているのです。我々は吐き気のする泥のなかで、ほとんど絶望に打ちひしがれて、それでも踊り続けます。それは瞬く光を知っているからです。私が信じられることとは大体そのようなことです。
ーーロックンロールがこの50年以上証明しようとしてきたことですね。
ーーその通り。そして、例えば、ドストエフスキーフィッツジェラルドが書いたこと、宮崎駿が表現しようとしたことだと思います。

contribution(貢献するということ)

ーー社会に貢献しようと思う。だが私はここにある1万円を寄付しない。何故だかわかるかね?
ーープッチ神父みたいなしゃべり方ですね。
ーーその理由は、私が世界に貢献するもっと効果的な方法を知っているからだ。それは"ビジネス"だ。資本主義社会では社会に貢献すればするほどビジネスは成長する。つまり金が儲かる。資本主義にはたくさんの問題があるが優れた部分も多くある。これはそのひとつと言えるだろう。よく人の為に何かをすれば自分に返ってくると言うが、全くその通り。システムとしてそれが成り立っているのだ。
ーー確かにそういう貢献の仕方もあるかもしれませんね。
ーーさらに言えば。今ある1万円を寄付せずに自分に何らかの形で投資し、社会に貢献するビジネスで成功すればその金は何百倍にも増加する。その金の一部を寄付し、一部を投資すればさらなる成長が起きる。相乗効果で貢献はつづく。世界の大富豪達、例えばビル・ゲイツなどが莫大な金額を寄付するのはそういう資本主義の仕組みをよくわかっているからだ。
ーーなるほど。ただ人気取りのためだけに寄付してるわけでもないんですね。
ーー今、20代・30代の若者が『日本を良くするために政府に望むこと』はなんと、「大企業と富裕層に増税をすること」だそうだ。(NPO法人政策過程研究機構、約1000名へのアンケート)これは、自分が富裕層になって社会に税金として効果的に還元したいという意見からでた解答だろうか?そんな事がありえない。あったとしても極少数意見だろう。これは自分とは関係の無い人間から金を取ればいいという意見だ。自分がビジネスで成功するという選択肢はとうにあきらめたのだ。そしてそこには、多くの場合富裕層が自分たちより遙かに社会に貢献しているという事実への認識が欠如している。日本特有の「金持ち=悪」という感覚から抜け出せていない。確かに過去、日本で日本特有の多くが平等につつましく暮らせる時代があったのかもしれない。しかし、現在日本はアメリカにくっついて完全に民主主義のシステムに飲み込まれている。その中で生きる覚悟が必要だし。それには意識の変化が必要だ。
ーー「世の中に不満があるなら自分を変えろ。それが嫌なら、耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ」ってやつですか。タフな意見ですね。
ーーそのとおり。これが我々が貢献しようとしている社会だ。腐った社会*1だが選択肢を選ぶ事は出来る。不条理な批判に耐えるだけタフになって社会に貢献するという自己満足を得るか、目と耳を閉じて安全なところで口をつぐむ努力をするか。どうする?
ーーきまってるのでしょう?
ーーうむ。だから私は金持ちになろうと思う。
ーーうわぁ、演説口調で宣言しきりましたね…。
ーー大金持ちになったらどかんと寄付するよ。
ーーやれやれですね。

*1腐った社会を知る本

メディア・コントロール―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書)メディア・コントロール―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書)
ノーム チョムスキー Noam Chomsky 鈴木 主税

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ぎりぎりじんじん

1分半劇場 根津サンセットカフェ Vol.11分半劇場 根津サンセットカフェ Vol.1
片桐仁 倉科カナ

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ーー「根津サンセットカフェ」おもしろいなぁ。
ーーラーメンズ片桐仁さんのやつですね。
ーーラーメンズはどっちが好き?
ーーどっちも好きです。
ーー迷いがないな…。ラーメンズはふたりともそれぞれ人気があるよね。かっこいいって。コバケンがかっこいいのはわかりやすいんだよ、あの脚本全部ひとりで書いてるんだから間違いなく天才だし。背も高くて顔もかっこいいからね。問題はギリジンのかっこよさはどこからくるかだ。
ーー講演を見てるとたまにめちゃめちゃかっこいい瞬間がありますね。仁さんは。
ーー彼の中には子供だけが持ってる純粋ななにかがナチュラルに残ってる感じがするんだよ。
ーーハツミさんですね。
ーーハツミさんだな。
ーー仁さんの奥さんはもとモデルのすごい美人らしいですよ。
ーーくそぅガンオタのくせに!う ら や ま し い!

静かで平和で孤独な日曜日。

ーーずるずる(鼻水)
ーーずっと自分の手の届く範囲の人だけを幸せにできるようにがんばろうと思ってたんだ。僕の力ではアフリカで餓死する子供をどうする事もできないからね。なんとか手に負えるのは家族とほんの数人の友達のことを考えるくらいだなと。だからテレビのニュースも新聞もほとんど見ないで、そいうものは無いものとしてやってきたんだ。見ても大概、気が滅入るだけだしさ。だって世界中の人が自分の手の届く範囲を幸せにしようとすれば世界は平和なはずだろ。それで、僕としては自分のその「手の届く範囲」を少しづつ広げられるようがんばろうというわけ。それでずっと上手くやってきたつもりだったんだ。二十歳になったころにはその範囲の人数は少し増えてきて十人くらいにはなった。僕の力はもちろん小さいからそのくらいで限界だななんて思ってた。もうすこし歳をとったらもう少し増すこともできるだろうなんてね。
ーーへっくしゅ!
ーーでもそんな手の届く範囲なんてまったく幻想だったんだ。僕は最も大切な親友ひとり助けることも出来なかった。僕は全く無力で彼に対してアドバイスすら思いつかなかった。解決策や将来へのプランが浮かぶならすでに彼が実行しているだろうしね。そして、時がたてばたつほど状況は悪くなる一方だ。例えば僕が大金持ちになって彼に金を上げたってもちろん何の解決にもならない。本質的な意味で彼を救うには日本社会全体をなんとかしないといけないし、それはすなわち世界をなんとかしなくちゃならないことになる。
ーーぐしゅぐしゅ。
ーー結局、手の届く範囲を幸せにしようなんて全く奢りだったんだ。謙虚に小さな範囲に絞ってたつもりだったなんてお笑いだよ。きっと家族に対してですら時に人は無力になる。人をひとり幸せにするなんてことは大それたことだったんだ。それを実感したよ。
ーーじゅるじゅる。
ーーそれで僕は少し考え方を変えたんだ。世界を少しでも良くなる方向に押すのを手伝おうってね。僕なりのやり方で。ある意味では少し何かをあきらめたのかもしれない。でも、そういう風に考えたらすごく楽になったんだ。もう人を手の届く範囲で"区切る"必要が無くなったからね。きっと僕はもともと人間が好きなタチなんだよ。民衆はいつでも愚民で大衆意見の殆どには吐き気がするけど、その中のひとりひとりは好きでしかたないんだ。外の木に繁ってる葉っぱひとつひとつくらいにね。そういう性質なんだよ。これが僕が世界に「貢献」しようと思う理由。はい、ティッシュ
ーーありがとう。ぐじゅぐじゅ。
ーー手始めにおまえのために世界中の杉の木を切り倒そうか。
ーーありがとう。
ーー…もちろんジョークだよ。
ーー知ってますよ。

鳥居みゆき「ヒット&ラン」に隠されたひみつ

――みなさんこんにちは。
――こんにちは。ってなんですかこの形式?
――これ書きやすいんだよ、いろいろと。
――アグレッシブすぎじゃないですか…。パクリだし。
――正確に言うとパクリのパクリだな。いいんだよ!はてなだってgoogleのパクリじゃん!
――(ええぇえー!)違います!断じて違いますよ!
――まぁそれはいいとしてさ。すごい発見したんだよ。鳥居みゆきって知ってる?
――最近人気の芸人さんですよね。放送コードぎりぎりのキャラが売りの。
――そうそう。↓の人ね。ネタの中で「ヒット&ラーン」って言ってるじゃん。

  
――言ってますね。
――これって、ヒットは「打つ」、ランは「走る」。うつとそう。つまり、「鬱と躁」を表してて実はあのキャラにかけてるんだよ。たぶん。
――おおおお!なるほど。すごいです!気づかなかった!
――はっはっは!そうだろうそうだろう。
――今年一番の「へー」です。よく気づきましたね?
――はっははっはっは…
――すごい発見力(1)です!
――い、いや。。実は。
――?
――ラ、ラジオで聴いて知ったんだけど、ね。。
――………


(1)・発見力を鍛える本

ビジネスマンのための「発見力」養成講座ビジネスマンのための「発見力」養成講座
小宮 一慶

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Investment(投資の心)

雨だね。さむいね。


今年に入って読んだ50冊の本。
その中で学んだのは3つ。「投資」「リスク」「貢献」の心だ。
今日は「投資」について。

僕が得たのは「金」と「知識」と「時間」に投資するという考え方だ。

投資と言えば真っ先に思い浮かべるのは株だろう。成長の見込まれる株を買ってリターンを見込む。
それに対し、知識への投資とは自分への投資である。

例えばTOEICの通信講座の1年間コースが10万円であったとしよう。あなたがこのコースを受講すればスコアが仮に500点から730点にアップするとする。そのことで会社の給与ランクが1段階上がり年収にして80万円アップすることが予想できるとしよう。

この場合。この通信講座を受けることは
10万円の投資でリターンは80万円。
さらに言えば(英語力という知識をキープできれば)年収ベースでの上昇なのでその後もリターンは続き80万円×勤続年数が受けられると考えられる。

これが「知識」への投資だ。
上記の状況で「なにもしない」でいることは投資をしなかったことによる80万×@の損失である。これは機会損失と呼ぶ。もちろん全ての機会を掴むことは不可能だが、何が機会となっているのか目を光らせる必要がある。
この10万と酒代の10万では会計先が全く別なのだ。前者は資産投資であり後者は純粋な出費だ。(酒を飲んだ相手との人脈によるリターンを考慮しなければ)
知識は裏切らない。しっかりとリターンに繋がることを意識して獲得した知識は株にくらべてずっと安定した投資になるだろう。


1日の中でこのような自分への投資を行っている時間を確保することに意識的である必要がある。
研究がリターンに繋がるのならそれでもいいし、本を読むのでも英語を勉強するのでもなんでも良い。重要なのはそれがどのような具体的リターンに繋がるかを意識することと、自己投資の時間を増やす意識だ。

このような自己投資の時間を生み出すために時間への投資を行う。限りある時間を上手く使う事は大きなリターンを生む。
突然できるスキマ時間や集中力の合間に将来的に必ずやる必要があるタスクを行うことで将来の時間を作る。
難しいことはない。例えば突然30分だけ時間が空いたがすることが無い時に、毎週必ずみるアニメがあるならその録画をその時間に見るだけで、その時間を殆ど何もせずに過ごす事になるよりは将来の時間を空けるというリターンを得られる。(もちろんその時間に本を読んで直接自己投資の時間にしても良い。)

このようなパラダイムの変換で僕は月に本代を3万近くかけることに躊躇が無くなった。読書が最も効果的で自分にあった投資法だと判断したからだ。遊んでばかりで本も読めずに自己投資の時間が少ない日にならないか意識的になった。

これらが最近学んで得た「投資」のこころだ。


「投資」に関するおすすめ本
 ・多読による投資  

レバレッジ・リーディングレバレッジ・リーディング
本田 直之
 ・時間の投資
  
無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
勝間 和代
 ・知識の投資
  
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
P・F. ドラッカー Peter F. Drucker 上田 惇生